なんどもご来訪くださりありがとうございます。わたしたちにお手伝いできることはありませんか?ぜひご意見やフィードバックをいただければ幸いです。
はじめに
プレゼンテーションについては、実に20年以上、お仕事でほぼ毎日行っていたこともあって多くの失敗とちょっとの成功を経験してきたことによる知見が蓄積されています。
今までは、ブログにてその一部を披露したり、プレゼンテーションの書籍を上梓したり、とお伝えしてきましたが、本コラムでもひとつのテーマとして扱って行こうと思います。なお、プレゼンテーションのご指南をご支援メニューのひとつとして実施しています。企画、レビューのほか、個別指導、CfP への準備支援など実績が豊富です。
プレゼンはじめの一歩
プレゼンテーションというと、何をテーマにするか、何をしゃべるべきか、伝えるべきかを考えることでしょう。それはもちろん間違いではありません。ただ、プレゼンテーションをする際に絶対に忘れてはいけないことは、プレゼンテーションを聴く人(聴き手)がいるという事実です。
プレゼンテーションの主役は、話し手ではなく、聴き手であるべきです。なぜかというと、プレゼンテーションによるアウトカム(成果)であり、ゴールは、聞いてもらうことでも、満足してもらうことでもなく、聴き手に響き、行動してもらうことだからです。
聴き手のことを主に考えるというのは、言うのは簡単です。でも、考え、実践するのはかなり難しいことです。私もそのことに気が付くのには、多くの失敗を繰り返してきました。では、どう考えるとよいでしょうか。
どこに行きたいか
あなたがプレゼンテーションをするときには、そのプレゼンテーションを終えた際に、行きたい場所はどこなのかを考えてみてください。
場所といってもほとんの場合が、物理的な、具体的な場所ではなく、どういう状態になっていたいかです。プレゼンテーションをしたことで、多くの企業から声がかかり、自分の主張を聞いてもらう機会が増えることもその一つです。また、プレゼンテーションしたことで、共感してくれる人たちを発見でき、共に歩んでいくというのもその一つです。
もっと生々しくいくと、そのプレゼンテーションによって自分の責務である数値の達成が近くもよいでしょう。もっと生々しいならば、このプレゼンテーションで聴き手の共感を得て、意思決定者にプレゼンテーションする機会をえるでもいいです。
なぜ内容より、場所なのか
プレゼンテーションは内容が大切です。そんなことはいちいち言及するまでもありません。ただ、内容にフォーカスしすぎると自己満足な内容になりがちです。自己満足なプレゼンテーションは自分が満足するだけなので、聴き手にとって価値がなくなってしまいがちです。また、どうしても近視眼になりがちなため、本当に伝えたかったこと、本当に伝えるべきことが、言語化できなかったりする恐れがあります。
なので、内容を検査できるように、まずどこに行きたいのかを定めましょう。その上で、内容を煮詰めていきます。そして、常にどこに行きたいのか、そのためにこの内容は必要か、この内容は深堀すべきかを検査していきましょう。
たったこれだけでもあなたのプレゼンテーションはもっと伝わり、あなたの行きたい場所に近づけるようになるでしょう。
プレゼンテーションキャンバス
そのためのツールとして「プレゼンテーション キャンバス」を作成しました。ちょうど一年前に AWS Dev Day 2018 にてエンジニアのためのプレゼンテーションの講演を担当し、そこで初お披露目したものになります。現在では教育機関、企業で活用いただいています。
プレゼンテーション キャンバス
本記事の執筆者:
長沢 智治 – アジャイルストラテジスト
サーバントワークス株式会社 代表取締役。Helpfeel Inc. アドバイザリーボード。DASA アンバサダー/認定トレーナー。
『More Effective Agile』、『Adaptive Code』、『今すぐ実践!カンバンによるアジャイルプロジェクトマネジメント』、『アジャイルソフトウェアエンジアリング』など監訳書多数。『Keynoteで魅せる「伝わる」プレゼンテーションテクニック』著者。
Regional Scrum Gathering Tokyo 2017, DevOpsDays Tokyo 2017, Developers Summit 2013 summer 基調講演。スクー講師。